費用・ROI

建設業の採用コストと採用単価の相場|媒体費・紹介料・代行費の内訳と下げ方

公開:2026.06.16 更新:2026.09.21 監修:株式会社サンカク(ゴリラ採用)
建設業の採用代行、費用はいくらかかるのか
この記事でわかること
結論|先に要点
  1. 費用は同じ期間と業務範囲で比べる。媒体費・紹介料・代行費に加え、自社に残る応募対応や面接調整の時間も確認する。
  2. 現場作業職は、通常の有料人材紹介・派遣を利用できない職種名ではなく、実際に行う建設業務で判断する。
  3. 人材紹介の約103万円は、全国・全職種の平均。建設業や採用代行だけの相場ではない。自社の採用条件に合わせて見積もる。

1. 建設業の採用にかかる費用の全体像

外部に支払う採用費用は、次の3つを分けると把握しやすい。採用手法によって、必要な項目は変わる。

媒体費と代行費が別請求なのか、見積もりに含まれているのかは必ず確認したい。同じ業務を二重に計上したり、逆に広告費を含めずに予算を組んだりすると、契約後の総額が想定とずれてしまう。

さらに、自社の採用担当者や現場責任者が使う時間も費用だ。外部への支払額と社内の作業時間を分けて記録すると、自社運用と代行を比べやすくなる。

⚠️建設の現場作業職では、通常の有料人材紹介・派遣を使えない

職業安定法第32条の11と労働者派遣法第4条では、建設工事の作業やその準備に係る「建設業務」の有料職業紹介・労働者派遣を禁止している。工事現場で行う型枠・鉄筋・とび・解体・配管・塗装などの作業は、この確認が欠かせない。

現場作業に直接従事しない施工管理や事務等は、この建設業務には当たらない。ただし、主任技術者・監理技術者等には所属建設業者との直接的かつ恒常的な雇用関係が原則必要で、一般の派遣社員はこの要件を満たさない。職種名だけで利用可否を判断しないようにしたい。

現場作業職では、求人媒体を通じた募集と、その運用を支援する採用代行を検討する。ハローワーク等の無料職業紹介や法定の例外制度も含めた整理は、建設業で人材紹介が禁止される理由で解説している。

根拠:職業安定法第32条の11、労働者派遣法第4条、監理技術者制度運用マニュアル二-四

2. 採用代行の費用相場はどう見る?料金が決まる要素

採用代行は、依頼する仕事の範囲によって費用が変わる。原稿作成だけを頼む場合と、媒体運用・応募対応・面接調整まで頼む場合を、月額だけで比較しても違いはわからない。業務内容・対応量・契約期間をそろえて見積もることが出発点になる。

料金タイプ料金が決まる単位見積もりで確認する点
月額固定型月ごとの契約料金含まれる業務・対応量、初期費用、最低契約期間、上限を超えた場合の追加料金
従量課金型スカウト送信・応募対応などの件数何を1件と数えるか、月の想定件数、最低料金、件数が増えた場合の総額
成果報酬型契約で定めた成果応募・面接・入社などの成果の定義、料金が発生する時点、取消し・返金条件

月額固定型でも、媒体費や追加業務が別なら総額は変わる。成果報酬型も、支払い条件を示すものであって、採用できることの保証ではない。また、採用代行という名称でも、業務の実態が職業紹介に当たる場合は、対象職種の規制を確認する必要がある。

手段費用の確認先現場作業職への利用自社に残る主な仕事
求人媒体媒体の料金・広告予算募集に利用できる原稿作成、運用、応募対応、選考
有料人材紹介紹介会社の手数料表・契約通常の有料職業紹介では不可施工管理等で利用する場合の採用条件の提示・選考
採用代行(RPO)依頼業務の見積もり求人作成・媒体運用等の支援を利用できる契約範囲外の業務、面接、採用判断

3. 人材紹介の平均約103万円は、何の数字なのか

厚生労働省の「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」では、有料職業紹介の常用就職1件あたりの手数料は約103万円(前年度比10.9%増)となっている。

これは全国・全職種の常用就職に係る手数料総額を、常用就職件数で割った平均だ。建設業や施工管理だけの相場でも、採用代行の料金でもない。また、この集計での常用は、4か月以上の有期雇用または期間の定めのない雇用を指す。

施工管理など、現場作業に直接従事しない仕事で人材紹介を検討するときも、この平均額をそのまま予算にするのではなく、自社の採用条件で見積もりを取る必要がある。資格や現場の条件を整理する方法は、施工管理の採用はなぜ難しいのかで扱っている。

💡契約前に、手数料表と支払い条件を確認する

有料職業紹介の手数料には、法令の定める種類・上限額による上限制と、届け出た手数料表に基づく届出制がある。届出制でも、提示された手数料表と実際の契約内容を確認することが必要だ。

年収を基に計算する契約なら、賞与や手当をどこまで含めるかを確認する。料金の発生時点、入社辞退や早期退職時の返金条件、消費税を含む金額かどうかまで、契約前にそろえておきたい。

根拠:職業安定法第32条の3、職業安定法施行規則第20条・別表

4. 「1人あたり採用コスト・採用単価」の実態と計算方法

採用単価は、採用にかけた費用の総額 ÷ 採用できた人数で計算する。先に集計期間と、採用人数を内定承諾・入社のどちらで数えるかを決め、毎回同じ基準で集計したい。

媒体費・紹介手数料・代行費などを合算し、社内の人件費を含める場合はその範囲も明記する。社内工数は、原稿確認・応募連絡・面接調整等に使った時間に、自社で設定した時間単価を掛けて見積もる。外部支出だけの単価と、人件費を含む単価を混ぜないことが大切だ。

見積もりを同じ期間と業務範囲で比較する手順

  1. 比較の前提をそろえる。募集職種、経験・資格、勤務地、採用目標人数、採用までの期間を同じにして見積もりを依頼する。
  2. 支払う費用を分ける。初期費用、期間内の媒体・広告費、代行費、件数に応じた追加料金を確認する。広告費が内包されている場合は二重に加算しない。
  3. 社内に残る仕事を確認する。原稿承認、応募者への連絡、面接日程の調整、面接そのものを誰が行うかを決める。必要な時間を見積もり、自社運用の場合と比べる。
  4. 上限と追加条件を確かめる。対応する応募件数、原稿の修正回数、対応時間帯、追加職種の扱い、契約の更新・終了条件を確認する。
  5. 試算と実績を分けて確認する。採用目標人数で割った額は予算上の試算として扱い、実際の入社人数等で計算した単価と区別する。採用人数がゼロなら単価は計算せず、総費用と応募・面接・内定の状況を確認する。

安く見える見積もりでも、応募対応が自社に残れば担当者の時間が必要になる。反対に、任せる範囲が広くても、使わない業務が多ければ自社に合うとは限らない。総額と、必要な仕事を誰が担うかを一緒に比べると判断しやすい。

採用環境も踏まえたい。厚生労働省「一般職業紹介状況」の令和8年7月分(全国・常用パート含む・原数値)では、有効求人倍率は建設・採掘従事者4.99倍、建設躯体工事従事者7.94倍、土木作業従事者6.49倍で、職業計は1.05倍。いずれもハローワークの求人・求職の集計値である。

求人倍率は、自社で何人採れるかや採用単価を直接示す数字ではない。応募が集まらない段階で出稿額だけを増やすのではなく、次章の順番で募集条件と運用を見直したい。

5. 採用コストが膨らむ典型と、下げる順番

費用を見直す際は、採用までのどこで応募者が減っているかを確認する。

  1. 求人の閲覧に対して応募が少ない場合。給与・休日・勤務地・仕事内容などの条件と、その伝え方を見直す。
  2. 応募があっても面接につながらない場合。連絡までの時間、連絡手段、候補日時の出し方、面接前の説明を確認する。
  3. 面接後に辞退が多い場合。求人票と実際の仕事の差、条件説明、選考にかかる時間を確認する。
  4. 媒体別に結果を比べる。応募数だけでなく、面接や入社につながったかを同じ期間で集計し、予算配分を見直す。

この運用を社内で続ける人手が足りないなら、足りない業務を採用代行に任せる方法がある。依頼範囲の考え方は、建設業の採用代行とは?費用・選び方・完全ガイドで整理している。

助成金は、受給要件と支給見込みを分けて扱いたい。若年・女性建設労働者トライアルコースには月4万円の助成があるが、対象者・事業主等の要件があり、就労日数による減額もある。また、若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コースの定着助成42万円は、所定の魅力発信・育成等の事業を行い、経費等助成の支給決定を受け、対象者が6か月定着すること等が前提だ。単に6か月雇えば支給されるわけではない。

見積もり比較では助成前の総費用を示し、受給が決まっていない助成金を確定収入として差し引かない。対象と手続きは建設業の採用に使える助成金・補助金一覧から確認できる。

6. ゴリラ採用の考え方

ゴリラ採用は、建設業に完全特化した採用代行(RPO)だ。求人原稿づくり、媒体運用、応募対応・面接調整を支援する。

費用の相談では、採用したい職種・人数・時期と、自社で対応できる仕事を確認し、依頼範囲を整理する。料金だけでなく、媒体費の扱いや社内に残る仕事まで含めて、自社の採用計画に合うかを判断してほしい。

参考として、ゴリラ採用の費用をこの記事の整理に当てはめると次のようになる。

項目ゴリラ採用の場合
料金タイプ月額固定型
初期費用100,000円(税別・契約時のみ)
月額70,000円(税別)
求人原稿の作成、媒体運用、応募直後の電話、一次面談、面接日程の調整・合否連絡、月1回のレポートを含む
成果報酬なし
追加料金なし。採用人数が増えても月額は同じ
媒体費月額に含まない。無料枠のある媒体を中心に運用し、有料掲載は必要なときだけ事前に相談する
最低契約期間なし
返金条件3か月運用して応募0件なら月額費用を全額返金(初期費用は対象外)
自社に残る仕事募集条件(給与・勤務地など)の決定と、最終面接

サービスの内容と対応職種はゴリラ採用のサービスページにまとめている。

よくある質問

Q.採用代行と人材紹介はどう違いますか?
人材紹介は求人者と求職者の間の雇用成立をあっせんする仕組みで、採用代行は求人作成・媒体運用・応募対応等の業務を支援する仕組みです。採用代行にも複数の料金体系があり、必ず定額とは限りません。名称だけでなく、実際の業務内容と契約範囲を確認する必要があります。
Q.現場の職人に人材紹介は本当に使えないのですか?
建設工事の作業やその準備に係る建設業務には、通常の有料職業紹介・労働者派遣を利用できません。無料職業紹介や法定の例外制度は別に確認します。現場作業を伴わない施工管理等でも、主任技術者・監理技術者等の配置には原則として直接的かつ恒常的な雇用関係が必要です。
Q.採用代行はいくらから頼めますか?
依頼する業務、対応量、料金体系、契約期間によって変わります。初期費用・媒体費・代行費・追加料金を分け、同じ職種・採用目標・期間で見積もりを比べることが必要です。自社に残る応募対応や面接調整の時間も含めて確認してください。
Q.建設業の採用コストの相場はどのくらいですか?
有料職業紹介の常用就職1件あたりの手数料は約103万円という公的集計がありますが、全国・全職種の平均で、建設業や採用代行だけの相場ではありません。自社の費用は、利用できる採用手法を確認し、職種・条件・人数・期間に合わせて見積もる必要があります。
Q.人材紹介の手数料に上限はありますか?
法令の定める種類・上限額による上限制と、届け出た手数料表に基づく届出制があります。契約前に、適用される手数料表、料金の計算方法、発生時点、返金条件を確認してください。年収を基に計算する場合は、賞与・手当の扱いも確認します。
Q.採用単価(1人あたり採用コスト)はどうやって計算しますか?
集計期間と採用人数の数え方を決め、採用費用の総額をその期間の採用人数で割ります。媒体費・紹介料・代行費に社内人件費を含めるかも明記し、同じ範囲で比較します。目標人数で割った試算と実績は分け、採用ゼロの場合は単価を計算せず総費用と選考の状況を確認します。
この記事のまとめ
  1. 採用代行の費用は、同じ職種・人数・期間・業務範囲で見積もりを比べる。
  2. 初期費用・媒体費・代行費・追加料金と、自社に残る応募対応や面接の時間を分けて確認する。
  3. 現場作業職は通常の有料人材紹介・派遣を利用できない。施工管理等も、実際の業務と配置要件を確認する。
  4. 人材紹介の約103万円は全国・全職種の常用就職の平均。自社や採用代行の料金相場として使わない。
  5. 採用単価は同じ集計範囲で比較し、目標人数での試算と実績を区別する。助成金の支給が未確定なら、費用から確定的に差し引かない。

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出典(一次情報)
  1. 厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」(令和8年3月31日公表)
  2. 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年7月分)」参考統計表6(全国・常用パート含む)
  3. 職業安定法 第4条・第32条の3・第32条の11
  4. 職業安定法施行規則 第20条・別表(手数料)
  5. 労働者派遣法 第4条
  6. 国土交通省「監理技術者制度運用マニュアル」(令和7年2月1日適用)二-四
  7. 厚生労働省「建設事業主等に対する助成金のご案内」(令和8年度)
  8. 厚生労働省「若年・女性建設労働者トライアルコース」支給要領(令和8年度)
監修:株式会社サンカク(ゴリラ採用)
建設業に完全特化した採用代行。現場の採用を当事者として動かしてきた知見をもとに編集しています。