1. 建設業の採用にかかる費用の全体像
建設業の採用にかかるお金は、大きく3つに分けられる。
- 求人媒体費:Indeedや求人ボックス、建設系の専門媒体などへの出稿費。クリック課金(運用型)や掲載課金がある。
- 人材紹介の成功報酬:採用が決まったときに払う費用。相場は理論年収の30〜35%が一般的で、専門職や管理職では40%以上のことも。年収500万円なら150〜175万円が目安。
- 採用代行(RPO)の運用費:求人作成・媒体運用・応募対応・面接調整などの採用業務そのものを任せる費用。月額固定や従量制が中心。
このうち求人媒体費は、クリックごとに課金される運用型と、一定期間の掲載に対して課金される掲載型があり、媒体・掲載枠・地域・期間で金額が大きく変わる。運用型は予算を自分で決められる一方、応募が集まらないまま予算だけ消化してしまうこともある。人材紹介と採用代行の費用相場は、このあと順に見ていく。
ここで、建設業ならではの絶対に外せない前提がある。
型枠工・鉄筋工・鳶・解体・配管・塗装など、建設工事に直接従事する「建設業務」は、有料職業紹介事業者が職業紹介をしてはならないと定められている。労働者派遣も同様に原則禁止。
一方で、施工管理・現場監督・CADオペレーター・現場事務など“作業に直接従事しない職種”は、人材紹介・派遣の対象にできる。
つまり——現場の職人を採るときは、人材紹介という選択肢がそもそも存在しない。使えるのは求人媒体と採用代行が中心になる。これが建設業の採用費用を考えるうえで、最初に押さえるべき分かれ道だ。
根拠:職業安定法 第32条の11/労働者派遣法 第4条
2. 採用代行(RPO)の費用相場と料金体系
採用代行の料金は、主に3つのタイプに分かれる。
| 料金タイプ | 費用の目安 | 特徴・向いているケース |
|---|---|---|
| 月額固定型 | 月10〜80万円程度 | 依頼する業務量でプランが分かれる。採用人数が増えても定額=複数名・継続採用ほど1人あたりが割安になりやすい。 |
| 従量課金型 | 1件あたり数千〜数万円 | スカウト送信・応募対応などを1件ごとに都度払い。 |
| 成果報酬型 | 採用1名あたり60〜120万円程度 | 人材紹介に近い考え方。1名ごとに費用が乗る。 |
建設業のように「何人も・継続的に」採りたい場合は、1名ごとに費用が乗る成果報酬型より、月額固定型のほうが総額を読みやすい。
| 手段 | 費用の払い方 | 現場の作業職に使える? | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 求人媒体 | 運用費・掲載費 | ○ 中心の手段 | 自社で運用の手が回る |
| 人材紹介 | 成功報酬(年収30〜35%) | × 法律で不可 | 施工管理など管理系の採用 |
| 採用代行(RPO) | 月額固定・従量 | ○ 運用ごと任せられる | 継続・複数名を採りたい |
3. 人材紹介の費用相場と、なぜ高いのか
建設業でも、施工管理・現場監督など“作業に直接従事しない職種”は、有料の人材紹介(エージェント)を使える。ただし人材紹介は、採用が1名決まるごとに成功報酬がかかるのが特徴だ。
厚生労働省が全国の職業紹介事業者からの報告を集計した「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」によると、有料職業紹介での常用就職1件あたりの手数料は、全国平均で約103万円(前年度比10.9%増)だった。人材紹介で1人採用が決まると、平均で100万円前後の費用がかかっているというのが公的な数値であり、年々上がっている点にも注意したい(全職種の平均値。職種や年収で幅がある)。
職業安定法施行規則では、人材紹介の手数料に2つの方式が定められている。上限制は、就職後6か月以内に支払われた賃金の11%(免税事業者は10.3%)が上限。届出制は、あらかじめ届け出た範囲で自由に手数料を定められる方式で、実務では年収の30〜35%程度(専門職・管理職では40%以上のことも)が相場とされ、多くの紹介会社はこちらを採用している。
根拠:職業安定法施行規則 第20条(手数料)
たとえば年収500万円の人材を届出制(35%)で採用すれば、手数料はそれだけで175万円になる。人材紹介は「決まったときに払う」ぶん採用の確実性は高いが、複数名を継続して採るほど総額がふくらみやすい。ここが、建設業で採用代行(=何人採っても定額で回せる仕組み)の比重が大きくなる理由でもある。
4. 「1人あたり採用コスト・採用単価」の実態と計算方法
「採用単価」とは、1人採用するのにいくらかかったかを表す指標だ。計算はシンプルで、採用にかけた費用の総額 ÷ 採用できた人数で出す。求人媒体費・人材紹介の手数料・採用代行の運用費などをすべて合算し、採用人数で割る。
たとえば3か月で媒体費と代行費に合計90万円かけて3人採れたなら、採用単価は1人あたり30万円。逆に同じ90万円で1人しか採れなければ、単価は90万円に跳ね上がる。同じ費用でも、採用単価は「何人採れたか」で大きく変わるのがポイントだ。
建設業で採用単価が上がりやすい背景には、深刻な人手不足がある。厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」の令和8年5月分(パートを含む常用・原数値)では、建設・採掘従事者の有効求人倍率は4.66倍、とび・鉄筋工などの建設躯体工事従事者は7.55倍、土木作業従事者は5.70倍。全職業計が0.99倍であるのに比べ、建設の現場系職種は求職者1人に約5〜8件の求人が群がる“超売り手市場”だ(出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」令和8年5月分 参考統計表6。ハローワークの求人・求職の集計値)。
応募が集まりにくいほど、1人採るために必要な母数(=出稿費や工数)が増え、採用単価は上がる。だから「とりあえず媒体に出す」だけのやり方では、応募が思うように集まらず、出稿を足して費用だけがかさみやすい。
5. 採用コストが膨らむ典型と、下げる順番
費用がムダに膨らむのは、だいたい次のどれかだ。
- 求人原稿が弱く、応募が集まらない → 出稿を足して費用だけ増える
- 応募者への連絡が遅く、他社に先に採られる → 1人採るための母数(=費用)が増える
- 媒体の使い分けや予算配分が場当たり的
下げる順番はシンプルだ。
- まず求人原稿と訴求を直す(同じ費用でも応募数は大きく変わる)
- 応募後の対応スピードを上げる(取りこぼしを減らす)
- 媒体の運用を、感覚ではなく数字で最適化する
この1〜3を社内だけで回し続けるのが難しいなら、採用代行で「運用の仕組み」ごと任せるのが、費用対効果の近道になる。どんなサービスを選べばいいかは、建設業の採用代行とは?費用・選び方・完全ガイドも参考にしてください。
もう一つ、費用を下げる方向で見落とされやすいのが助成金だ。建設業には、若手・女性を試用で雇うと1人あたり月4万円、6か月定着で1人42万円といった国の助成コースがある。採用単価を計算するときは、こうした戻りも含めて考えたい(建設業の採用に使える助成金・補助金一覧)。
6. ゴリラ採用の考え方
ゴリラ採用は、建設業に完全特化した採用代行(RPO)だ。現場の作業職は人材紹介が使えない——その制約を前提に、求人媒体の運用と応募対応・面接調整までをまるごと代行し、「何人採っても費用が読める」定額の考え方で設計している。
建設の職種・資格・現場の働き方を理解した担当者が、求人原稿づくりから運用までを行うため、汎用の採用代行より応募の質と量が安定しやすい。具体的な料金や、自社のケースだといくらになるのかは、無料相談で実際の求人内容に合わせてお伝えしている。