1. 週休2日は義務か、いつからか|法律と発注の条件を分ける
「建設業も週休2日が義務になったらしい」。働き方改革の報道が続くなかで、建設会社の社長や採用担当からよく聞く話だ。先に答えを書くと、2026年10月時点で、建設業に週休2日を一律に義務づける法律はない。ただし、何をしてもよいわけではない。法律で決まっていること、発注者が工事の条件として求めること、会社が自分で決めることの3つに分けると整理しやすい。
法律が求める休日は「毎週1日」
休日の決まりは、労働基準法第35条にある。
使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
同じ条の第2項は、4週間を通じて4日以上の休日を与える場合はこの限りでないとしている。法律が最低限求めている休日は、毎週1日、または4週間で4日だ。週休2日はこれより多く、法律の最低ラインではない。
ただし「週40時間」は守らなければならない
一方で、働く時間には上限がある。労働基準法第32条はこう定めている。
使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
同じ条で、1日については8時間を超えてはならないとされている。1日8時間働く会社なら、週5日で40時間に達する。6日目を働かせれば、その分は時間外労働になり、36協定(時間外労働や休日労働をさせるために労働者の代表と結び、労働基準監督署に届け出る協定)と割増賃金が必要になる。週休2日は義務ではないが、変形労働時間制を使わずに1日8時間で働く会社にとっては、週40時間を守る形がほぼ週休2日になるという関係だ。
なお、常時10人未満の商業や接客業などには週44時間までの特例があるが、労働基準法施行規則第25条の2が対象に挙げる事業に建設業は入っていない。建設業は、会社の規模にかかわらず週40時間である。
2024年4月に始まったのは「残業の上限規制」
「週休2日の義務化」と混同されやすいのが、2024年4月から建設業にも適用された時間外労働の上限規制だ。建設業は、労働基準法第139条により令和6年(2024年)3月31日まで適用が猶予されていた。上限の中身は次のとおりである(労働基準法第36条)。
| 区分 | 上限 |
|---|---|
| 原則 | 時間外労働は月45時間・年360時間(限度時間)。1年単位の変形労働時間制で対象期間が3か月を超える場合は月42時間・年320時間 |
| 特別条項 | 臨時的な特別の事情がある場合に限り、時間外労働は年720時間以内。時間外労働と休日労働の合計は月100時間未満、2〜6か月の平均でいずれも80時間以内。月45時間(対象期間が3か月を超える1年単位の変形労働時間制では42時間)を超えられるのは年6か月まで |
災害時の復旧・復興の事業に限っては、月100時間未満と2〜6か月平均80時間以内の規制が当分の間適用されない(第139条第1項)。いずれにしても、これは残業の上限であって、休日の日数を決める規定ではない。
公共工事は「発注の条件」で決まる
公共工事で「週休2日工事」と呼ばれているものは、法律の義務ではなく、発注者が工事ごとに定める取組だ。国の直轄工事では、2026年度(令和8年度)からその形が変わっている。詳しくは第3章で見る。3つの層を並べると、次のようになる。
| 層 | 決めていること | 週休2日との関係 |
|---|---|---|
| 法律 | 労働基準法で、休日は毎週1日か4週4日。労働時間は週40時間・1日8時間。残業は36協定と上限規制の範囲内 | 週休2日そのものは義務ではない。ただし変形労働時間制を使わずに1日8時間で週6日働けば、週40時間を超えた分は残業になる |
| 発注の条件 | 公共工事で、発注者が工事ごとに定める(週休2日工事、交替制など) | 受注した工事の条件として求められることがある |
| 会社の判断 | 就業規則、会社カレンダー、労働契約 | 完全週休2日にするかは会社が決める。決めたら求人票と一致させる |
2. 自社の働き方は大丈夫か|週40時間・土曜出勤・年間休日105日
週休2日が義務でないとしても、自社の働き方が週40時間の枠に収まっているかは別に確かめる必要がある。建設会社でよくある形で見ていく。
1日8時間なら、週休2日か、変形労働時間制か、残業か
1日の所定労働時間(就業規則で決めた働く時間)が8時間の会社は、週5日で40時間に達する。週6日働く形にするなら、道は大きく3つある。
- 6日目を時間外労働として扱い、36協定を結んで割増賃金を払う
- 1日の所定労働時間を短くする(たとえば6時間40分×6日=40時間)
- 変形労働時間制(一定の期間を平均して週40時間以内に収める制度)を使い、忙しい時期に多く、落ち着いた時期に少なく働く日を割り振る
1年単位の変形労働時間制なら、1日8時間で年間休日105日以上
建設業でよく使われるのが、1年単位の変形労働時間制だ。1年間を平均して週40時間に収めればよいので、繁忙期に土曜を労働日にし、閑散期や年末年始・夏季に休みを寄せる、といった組み方ができる。ただし、対象期間の労働日と各日の労働時間は、労使協定などで前もって決めておく必要がある(労働基準法第32条の4)。工程に合わせて後から自由に組み替えられる制度ではない。
1年を平均して週40時間という条件から、1年間に働ける時間の総枠は40時間×365日÷7日で約2,085.7時間になる。1日8時間なら260日分で、年間休日は105日以上が必要になる。厚生労働省のモデル就業規則も、こう説明している。
例えば、1日8時間の所定労働時間で1年単位の変形労働時間制を採用した場合、年間休日を105日以上としなければ週40時間労働制の枠内に収まらないこととなります。
モデル就業規則は、1日の所定労働時間ごとに必要な年間休日の日数も示している。
| 1日の所定労働時間 | 必要な年間休日 (うるう年でない年) |
|---|---|
| 9時間 | 134日 |
| 8時間 | 105日 |
| 7時間50分 | 99日 |
| 7時間45分 | 96日 |
| 7時間30分 | 87日 |
| 7時間15分 | 85日 |
| 7時間 | 85日 |
7時間15分と7時間で同じ85日になるのは、対象期間が3か月を超える場合、労働日数の上限が1年あたり280日とされているためだ(労働基準法施行規則第12条の4)。
変形労働時間制には、ほかにも条件がある。対象期間が3か月を超える場合、1日10時間・1週52時間が上限で、48時間を超える週は連続3週まで、かつ対象期間を3か月ごとに区切った各期間で3回まで。連続して働かせられるのは原則6日まで(同条)。労使協定を結び、労働基準監督署に届け出る必要もある(労働基準法第32条の4)。そしてモデル就業規則は、制度の前提をこう書いている。
1年単位の変形労働時間制は、恒常的な時間外労働時間及び休日労働はないことを前提とした制度です。
変形労働時間制は、働く時間の総枠を増やす制度ではなく、決まった総枠を1年の中で配分する制度だ。1日8時間で年間休日が105日に届かない会社が、変形労働時間制を使えば解決する、ということにはならない。
土曜出勤は、残業になる場合とならない場合がある
「土曜出勤は残業になるのか」もよく聞かれる。答えは働き方の組み方によって変わる。最後の行を除き、変形労働時間制を使わず、平日に1日8時間・週5日働き、日曜を法定休日(法律で与える週1日の休日)と決めている会社を例にすると、次のとおりだ。
| 土曜の働き方 | 扱い |
|---|---|
| 日曜は休み、土曜に8時間出勤 | 週48時間になり、40時間を超えた8時間は時間外労働。36協定が必要で、割増賃金は25%以上 |
| 土曜も日曜も出勤し、その週に休みがない | 法定休日の日曜に働いた分は休日労働。割増賃金は35%以上(4週間で4日の休日とする定めがある会社は、4週間で見る) |
| 就業規則の定めにもとづき、前日までに通知して同じ週の平日1日と入れ替える(振替) | 休日労働にならず、週40時間に収まれば時間外労働にもならない |
| 休日に出勤させた後で、別の週に代休を与える | 出勤した週の時間外労働・休日労働はそのまま。代休を与えても割増賃金の支払いは必要 |
| 1年単位の変形労働時間制で、土曜を前もって労働日と決めている | 前もって決めた所定労働時間の範囲なら時間外労働にならない(年間休日などの条件を満たしていることが前提) |
割増率は、労働基準法第37条と政令で、時間外労働が2割5分以上、休日労働が3割5分以上と決まっている。時間外労働が月60時間を超えた部分は5割以上だ。振替と代休の違いは、厚生労働省がこう説明している。
いわゆる「代休」とは、休日労働が行われた場合に、その代償として以後の特定の労働日を休みとするものであって、前もって休日を振り替えたことにはなりません。従って、休日労働分の割増賃金を支払う必要があります。
厚生労働省のモデル就業規則は、振替をするには、就業規則に振替の規程を置くこと、振り替える日を特定すること、前日までに通知することなどが必要だとしている。振り替えた後も、法定休日(毎週1日、または就業規則で起算日を決めた4週間で4日)は確保しなければならない。振り替えた休日が週をまたぎ、その週の労働時間が40時間を超えれば、超えた分は時間外労働として割増賃金が要る。
毎週の土曜出勤を残業で回すと、年の上限を超える
平日8時間×5日の会社で、毎週土曜にも8時間出勤するとどうなるか。土曜の8時間はすべて時間外労働で、8時間×52週=年416時間になる。月にならすと約35時間で、平日の残業がゼロでも、原則の上限である年360時間を超えてしまう。
上限を超えられる特別条項は、労働基準法第36条第5項が、次のような場合に限っている。
当該事業場における通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に第三項の限度時間を超えて労働させる必要がある場合
毎週決まって土曜に出る働き方を、臨時的な事情として扱うのは難しい。土曜出勤が当たり前になっている会社は、残業で処理し続けるのではなく、変形労働時間制で年間カレンダーを組み直すか、1日の所定労働時間を見直すことになる。
3. 公共工事と民間工事で何が違うか|2026年度の変更と休みの実態
国の直轄工事は「週休2日の費用の上乗せ」を終えた
国土交通省は、直轄工事で週休2日の確保に必要な費用を工事費に上乗せする試行を続けてきた。2026年3月10日の通知「国土交通省直轄工事における週休2日の取組方針について」で、令和8年度以降の取組を次のように改めた。
他産業と遜色ない建設業の働き方の実現に向け、多様な働き方が求められていることから、地域の実情や現場の状況等を踏まえ、週休2日や交替制など、適切な方法により取り組むものとする。
なお、これまで実施してきた週休2日の取得に要する費用の計上等による試行は完了とし、今後は費用計上等を実施しないものとする。
対象は国土交通省の直轄工事(官庁営繕関係と港湾空港関係を除く)で、令和8年4月1日以降に入札公告などを行う工事に適用される。あわせて、発注者は受注者から施工期間や時間の変更について協議があれば、丁寧に応じるものとされた。
これを「国が週休2日をやめた」と読むのは誤りだ。国土交通省の資料によると、直轄工事で工期全体を通じて週休2日に取り組んだ工事の割合は、平成28年度の20.0%から令和5年度には100%になった。そのうえで、こうまとめている。
直轄工事における試行を通じて、建設業は完全週休2日を含む週休2日が可能な業界であることを確認。
週休2日が定着したので費用を上乗せする試行は終え、そのうえで働き方の幅を広げる、という流れだ。国土交通省の方針ページは、令和8年度からの方向をこう書いている。
令和8年度から、多様な働き方の実現に向けた支援に軸足を置くこととし、これまでの週休2日としての働き方の他、気候(猛暑対策等)を踏まえた働き方、変形労働時間制を適用した柔軟な働き方、担い手の多様化に合わせた働き方など、建設産業として多様な働き方の実現に向けた支援を行ってまいります。
自治体の工事は、発注者ごとに違う
都道府県や市町村の工事は、それぞれの発注者が要領を定めている。たとえば名古屋市緑政土木局は、週休2日制工事を続けながら、経費の上乗せ(補正係数)をやめた。
工事設計書の単価適用日が令和8年10月1日以降のものは、補正係数による経費の計上が廃止となります。
宮城県は、令和6年4月に「通期の週休2日」を標準化し、令和6年11月に「月単位の週休2日」、令和7年11月に「完全週休2日」を導入してきた。そのうえで、令和8年11月公告の工事から経費補正を見直すとしている。公共工事を受ける会社は、発注者ごとの要領と、入札公告や特記仕様書で、その工事の条件を確かめる必要がある。
民間工事に週休2日の義務はないが、工期の決まりはある
民間工事で発注者が週休2日を求めるかどうかは、契約しだいだ。ただ、工期については建設業法の決まりがある。建設業法第19条の5は、注文者が著しく短い工期で請負契約を結ぶことを禁じてきたが、2025年12月12日からは第2項が加わり、受注する側にも同じ禁止がかかった。
建設業者は、その請け負う建設工事を施工するために通常必要と認められる期間に比して著しく短い期間を工期とする請負契約を締結してはならない。
何が「著しく短い工期」にあたるかについて、国土交通省の「発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドライン」(第8版、令和8年1月)は、こう書いている。
なお、時間外労働規制を上回る違法な時間外労働時間を前提として設定される工期は、例え、発注者と受注者との間で合意している場合であっても、「著しく短い工期」であると判断され、発注者と受注者のそれぞれが建設業法第19条の5第1項及び第2項に違反するおそれがある。
残業の上限を守れない工期は、建設業法の問題にもなる。休みを増やしたいなら、工期の交渉から始めることになる。
休みの実態|民間中心の調査では「4週8休以上」は4割に届かない
実際にどれくらい休めているのか。国土交通省の令和7年度「適正な工期設定等による働き方改革の推進に関する調査」は、主に民間工事について、建設業者団体116団体の会員企業に聞いたものだ(令和8年1月1日時点、有効回答1,939社)。休日の取得状況は次のとおりだった。
| 4週8休以上 | 4週6休程度 | 前年度の 4週8休以上 | |
|---|---|---|---|
| 技術者 (施工管理など) | 38.5% | 33.0% | 28.6% |
| 技能者 (職人) | 37.0% | 33.8% | 29.4% |
「4週8休以上」(4週間で8日以上の休み。週にならせば2日以上だが、毎週2日とは限らない)は前年度より増えて、技術者・技能者とも最も多い区分になった。それでもまだ4割に届かず、4週6休程度も3割を超えている。元請として4週8閉所(4週間で8日、現場を閉める)を提案した、または提案された企業は62.4%で、実際に達成できたのは約5割だった。4週8閉所の導入率は、公共工事がほとんどの企業で78.3%、民間工事がほとんどの企業で24.5%と大きく開いている。
一方、厚生労働省の令和7年就労条件総合調査(常用労働者30人以上の民営企業、令和7年1月1日時点)では、建設業で「完全週休2日制」を採用している企業は62.7%、それより休日が少ない制度を含む何らかの週休2日制は93.5%だった。令和6年1年間の年間休日は1企業平均112.8日で、調査産業計の112.4日と並ぶ。ただし、年間休日が100日に満たない企業も16.1%ある(80〜89日が7.3%、90〜99日が8.8%)。
2つの調査は、対象の企業も、時点も、数えているもの(就業規則などの制度か、現場の技術者・技能者の休日の取り方か)も違うため、数字をそのまま比べて差を読むことはできない。ここから言えるのは、民間工事が中心の現場では、4週8休以上がまだ4割に届いていないということだ。人手不足と休みの関係は建設業の人手不足の記事でも整理している。
4. 求人票に休みをどう書くか|実態と照らす手順と記入例
休みの書き方は、応募の集まり方に関わる。ハローワーク高山が求人を出す事業所向けにまとめた資料は、こう書いている。
働き方改革の進展・浸透に伴い、「時間外労働」「週休二日制」「残業時間」は求職者の応募意欲に大きな影響を与えるものとなっています。
「休日数」が平均を下回る求人や、月平均時間外労働時間数が平均を上回る求人は、応募者が少なくなる傾向にあり、逆に、平均よりも条件がいい場合は、アピールポイントになります。
だからといって、実態より良く見せてよいわけではない。
法律が求めるのは「正確で最新」の表示
労働者を募集するときは、休日を含む労働条件を明示しなければならない(職業安定法第5条の3)。明示する事項として、職業安定法施行規則第4条の2は「始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間及び休日に関する事項」を挙げている。求人広告の中身については、職業安定法第5条の4が、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示を禁じたうえで、募集を行う者に次の義務を課している。
正確かつ最新の内容に保たなければならない。
また、求人で示した条件と違う条件で雇うときは、労働契約を結ぶ前に、変更する内容を明示しなければならない(同法第5条の3第3項)。求人票の休日と入社後の実際の休日が違えば、応募者の信頼を失うだけでなく、法律の問題にもなる。
「完全週休2日制」と「週休2日制」は意味が違う
求人票でいちばん誤解を生みやすいのが、この2つの書き分けだ。厚生労働省の就労条件総合調査は、毎週2日休める「完全週休2日制」と、それより休日が少ない制度を分けて集計しており、後者をこう説明している。
「完全週休2日制より休日日数が実質的に少ない制度」とは、月3回、隔週、月2回、月1回の週休2日制等をいう。
統計の上では、月に1回だけ週2日休める制度も「何らかの週休2日制」に数えられる。一方で、求人を読む人は「週休2日」と見れば毎週2日休めると受け取りやすい。就業規則や会社カレンダーで毎週2日の休日が決まっているなら「完全週休2日制」、隔週や月に何回かなら「週休2日制(月2回)」「日曜・第2第4土曜休み」のように回数や曜日まで書くのが、誤解を生まない書き方だ。休日出勤があるなら、その頻度や振替の扱いもあわせて書いておきたい。
ハローワークの求人申込書にも、休日の曜日を選ぶ欄とは別に「週休二日制」の欄があり、「1.毎週」「2.なし」「3.その他」から選ぶ。年間休日数と、6か月経過後の年次有給休暇の日数も、それぞれ別の欄に書く。月平均の時間外労働時間を書く欄もある。
年間休日に有給休暇を含めない
年間休日の数え方にも注意がいる。就労条件総合調査は、年間休日総数を、就業規則などで労働義務がないとされた週休日と、祝日・年末年始・夏季休暇などの会社の休日の合計としたうえで、次のように定めている。
ただし、年次有給休暇分や雇用調整、生産調整のための休業分は含まれない。
有給休暇は、会社が定める休日とは別に、働く人が取得する休みだ。「年間休日120日(有給休暇を含む)」のように有給休暇を足した数字を年間休日として書くと、ほかの求人と比べたときに誤解を生む。
書く前に、実態と照らし合わせる
求人票の休日欄を書く前に、次の順で照らし合わせておきたい。
- 就業規則と会社カレンダーで、所定の休日(曜日・祝日・年末年始・夏季)と年間休日の日数を数える
- 直近1年の出勤簿で、土曜出勤・休日出勤が実際にどれくらいあったかを職種ごとに数える
- 通常の制度なら日ごと・週ごとに1日8時間・週40時間に、変形労働時間制なら対象期間の総枠と1日・1週の上限などに収まっているかを確かめる
- 施工管理と職人、事務所勤務と現場勤務など、休みの取り方が違う職種は求人を分ける
- 繁忙期の土曜出勤や、工程しだいで休みが変わることがあるなら、頻度と決め方(前月に通知するなど)を書く
- 「来期から完全週休2日へ」などの予定は、今の条件と分けて書き、今の条件のように見せない
パターン別の記入例
ハローワークの求人申込書の欄に合わせると、次のような書き方になる(○は自社の実数を入れる)。
| 実態 | 書き方 |
|---|---|
| 毎週土日が休み。祝日・年末年始・夏季も休み | 休日:土日祝、年末年始、夏季休暇 週休二日制:毎週 補足:年間休日○日。休日出勤は年○回程度(災害対応など) |
| 日曜・第2第4土曜・祝日・年末年始が休み | 休日:日曜、第2・第4土曜、祝日、年末年始 週休二日制:その他 補足:年間休日○日。第1・第3・第5土曜は出勤 |
| 1年単位の変形労働時間制で、会社カレンダーにより休日を決めている | 就業時間:変形労働時間制(1年単位)を選ぶ 休日:会社カレンダーによる(日曜ほか) 週休二日制:その他 補足:年間休日○日。繁忙期(○月〜○月)は土曜出勤が月○回程度 |
| 施工管理は土日休み、職人は日曜と隔週土曜 | 同じ求人にまとめず、職種ごとに求人を分けて、それぞれの実態で書く |
ゴリラ流編集部が2026年10月23日にハローワークインターネットサービスで検索したところ(全国、一般求人・フルタイム)、職種の分類で「建設」「土木」「建築塗装」を選んだ求人45,578件のうち、条件「完全週休二日制(土日休)」に当てはまる求人は14,542件(31.9%)だった。職種「施工管理」では、29,963件のうち16,502件(55.1%)だった。
この条件は土日がそろって休みの求人を数えるもので、平日と日曜を休みにする完全週休2日制などは含まれない。残りの求人が完全週休2日制ではない、という意味ではない点に注意したい。また、求人票に書かれた条件の集計で、実際の休日の取り方を示すものではない。施工管理の採用の事情は施工管理の採用の記事で整理している。
求人票のほかの項目も含めた書き方は、求人が来ない原因と対策の記事でまとめている。
5. 休みを増やすと給料はどうなるか|これから採る人と今いる人
「週休2日にしたら職人の給料が減る」。週休2日を考える会社がまず気にするのが、この点だ。
日給制なら、働く日が減ればそのまま月の収入が減る。日給1万5,000円の職人の出勤日が月に4日減れば、日給を変えない単純計算で月6万円の減収になる(割増賃金や手当は含まない)。月給制で月給を据え置けば基本の部分は減らないが、休日出勤や残業の手当が減れば総支給額は下がる。会社にとっては、1日あたりの人件費が上がる。ここで分けて考えたいのが、これから採る人と、今いる人だ。
これから採る人|求人の条件を最初から組み直せる
新しく採る人の条件は、求人を出す段階で決められる。休日を増やすなら、日給の水準を見直すか、月給制にするかをあわせて決め、その条件で求人票を書けばよい。日給や月給を1時間あたりに直して、最低賃金を下回らないかも確かめておきたい。計算の仕方は建設業の最低賃金の記事で整理した。
今いる人|条件の変更は合意が原則
今いる社員の条件を変えるときは、労働契約法のルールがかかる。第8条は、労働条件は労働者と使用者の合意で変更できるとし、第9条は、合意なく就業規則を変えて労働者の不利益に労働条件を変えることはできないとしている。例外は第10条で、変更後の就業規則を周知し、その変更が次のような事情に照らして合理的な場合に限られる。
労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるとき
日給制の職人にとって、休みが増えることは収入が減ることでもある。本人と話して合意を取り、日給の見直しや月給制への切り替えとセットで進めるのが基本になる。
休日を増やすときは、本人の合意か、周知と合理性を満たす就業規則の変更といった、法律に沿った手続で労働条件を見直してから進めたい。これまで労働日だった日を会社が一方的に休みにすれば、休業手当(平均賃金の60%以上・労働基準法第26条)の対象になりうる。
6. すぐに週休2日にできない会社が確かめる順番
工期や人員の事情で、すぐには週休2日にできない会社も多いはずだ。その場合でも、順番を間違えないようにしたい。
- 今の働き方が法律の枠に収まっているかを確かめる。週40時間、36協定の届出、残業の上限、割増賃金の支払い。ここは「少しずつ」ではなく、今すぐ守る線だ。
- 休みを増やす計画を立てる。4週6休から4週8休へ、交替制、変形労働時間制の導入など。工期が足りないなら、発注者との協議から始める。国の直轄工事では、施工期間や時間の変更の協議に発注者が丁寧に応じることが通知に書かれている。
- 給与の形を決める。日給のままか、月給制にするか。今いる人とは合意を取りながら進める。
- 求人票には今の実態を書く。改善の予定は「予定」として分けて書く。
週休2日の推進などに取り組む中小企業向けには、国の助成金もある。対象や要件は建設業の採用に使える助成金・補助金の記事で整理している。年度ごとに要件や受付期間が変わるため、申請前に厚生労働省の最新の案内を確認してほしい。
7. ゴリラ採用の考え方
週休2日は、法律で一律に決まった義務ではない。ただ、変形労働時間制を使わずに1日8時間で働く会社にとっては週40時間を守る形がほぼ週休2日であり、国の直轄工事では週休2日が定着した。民間工事が中心の現場でも、4週8休以上はこの1年で増えている。求職者は、この変化のなかで求人を見比べている。
だからこそ、休みの条件は「良く見せる」より「正確に書く」ほうがよいと考えている。完全週休2日でなくても、年間休日、土曜出勤の頻度と決め方、繁忙期と閑散期を正直に書けば、求職者は自分に合うかを判断できる。入社してから「聞いていた休みと違う」となれば、せっかく採った人が辞めるきっかけになる。
ゴリラ採用は、建設業に特化した採用代行として、求人原稿の作成から媒体の選定、応募者への即時対応、面接設定までを担っている。休日や働き方を求人票にどう書くかも、会社の就業規則と現場の実態を伺ったうえで一緒に整理する。相談は無料なので、気軽に声をかけてほしい。
まとめ
- 2026年10月時点で、建設業に週休2日を一律に義務づける法律はない。労働基準法が求める休日は、毎週1日か4週間で4日。
- 労働時間は週40時間・1日8時間が上限で、建設業に週44時間の特例はない。変形労働時間制を使わずに1日8時間で働く会社は、週休2日でないと所定の時間だけで週40時間を超える。
- 2024年4月に建設業に適用されたのは時間外労働の上限規制(原則として月45時間・年360時間)で、週休2日の義務化ではない。
- 平日8時間×5日の会社が毎週土曜に8時間出ると、時間外労働だけで年416時間になり、原則の上限を超える。
- 1年単位の変形労働時間制で1日8時間なら、年間休日は105日以上が必要。制度は恒常的な時間外労働がないことが前提。
- 就業規則にもとづき前もって休日を振り替えれば休日労働にはならない(週40時間を超えた分は時間外労働)。後から代休を与えても、休日労働の割増賃金はなくならない。
- 国の直轄工事は令和8年度から、週休2日の費用を上乗せする試行を終え、週休2日や交替制など適切な方法で取り組む方針になった。自治体の工事は発注者ごとに確認する。
- 2025年12月12日から、受注する建設業者も著しく短い工期で契約してはならない。残業の上限を超える前提の工期は、著しく短い工期と判断される。
- 民間工事が中心の国の調査では、4週8休以上は技術者38.5%・技能者37.0%(令和8年1月1日時点)。
- 求人票では「完全週休2日制」と「週休2日制」を書き分け、年間休日に有給休暇を含めず、職種ごとの実態で書く。