独立・開業

建設業許可とは?一人親方が「500万円の壁」を越える取り方

公開:2026.06.19 更新:2026.06.19 監修:株式会社サンカク(ゴリラ採用)
500万円の壁を越えて元請になる、建設業許可の取り方
この記事でわかること
結論|先に要点
  1. 1件500万円以上(建築一式は1,500万円以上)を請けるには許可が必須。これが「500万円の壁」。金額は税込で判定する。
  2. 許可は個人事業主のままでも取れる。カギは「経営業務の管理責任者」「専任技術者」「500万円の財産的基礎」の3つ。
  3. 許可で元請になる=人を雇う段階の入口。大きな工事を回すには職人が要る。最初の採用は外注に任せ、社長は現場と経営に集中するのが近道。

1. 「500万円の壁」とは?許可が要る工事・要らない工事の境界

建設業を営むには、原則として建設業許可が必要だ(建設業法 第3条)。ただし例外がある。「軽微な建設工事」だけを請け負う場合は、許可がなくても工事ができる。この“許可が要るか要らないか”の境界が、いわゆる「500万円の壁」だ。

ここで一番間違えやすいのが、金額の基準が工事の種類で違うという点だ。

つまり「建設業許可はぜんぶ500万円から」と考えると誤りで、建築一式工事だけは1,500万円が壁になる。多くの専門工事の職人にとっては、500万円が現実的なラインだ。

⚠️「500万円」の数え方には3つの注意がある

税込で判定する。消費税・地方消費税を含めた金額で見るので、「税抜500万円ならセーフ」は誤りだ。

契約を分けても合算される。1つの工事を正当な理由なく分割して契約しても、合計額で判定される。

支給材料は加算する。注文者から材料の提供を受ける場合は、その材料費(市場価格+運送費)を請負代金に足して判定する。

根拠:建設業法 第3条第1項ただし書/建設業法施行令 第1条の2

2. なぜ今、一人親方が許可を目指すのか

背景には、個人事業の建設業者が長期的に減り続けているという事実がある。国土交通省「建設業許可業者数調査」によると、建設業の許可業者数はピークの平成12年3月末に60万980業者あったが、令和7年3月末には48万3,700業者まで減っている。

注目すべきは、この減少のほとんどが個人事業主だという点だ。個人の許可業者はピーク比で約9万1,000業者(▲57.5%)も減り、直近では令和6年3月末の6万7,780業者から令和7年3月末の6万7,277業者へとさらに減っている。一方で法人の数は大きく崩れていない。

裏を返せば、地域で頼られてきた個人の業者が抜けていく中で、許可を取って元請に回れる一人親方には、仕事を取りに行く余地が広がっているということでもある。500万円の壁を越えることは、その第一歩になる。

3. 建設業許可の5つの要件 ― 一番のハードルはどこか

建設業許可(一般建設業)を取るには、大きく5つの要件を満たす必要がある。

このうち、つまずきやすいのは「経管」と「専技」という人の要件だ。経営経験や実務経験を“書類で証明できるか”が勝負になる。次に、500万円の財産的基礎をどう示すかが続く。要件そのものより、それを裏づける資料集めに時間がかかることが多い。

4. 個人事業主のまま取れる?法人化は必要か

結論から言うと、個人事業主のままでも建設業許可は取れる。法人化は必須ではない。要件のなかでも「経管は個人なら本人または支配人」と定められており、制度として個人での取得が想定されている。

ただし、許可を取ったあとに法人化(法人成り)する場合は注意が要る。個人で取った許可は、法人へ自動では引き継がれない。原則は法人として新たに取り直す扱いだ。

⚠️法人成りでの「許可の空白」に注意

令和2年10月施行の改正で、事前に認可を受ければ個人から法人へ許可を引き継げる「事業承継の認可制度」が新設された。ただし手続きを踏まないと、許可が切れた空白期間が生じてしまう。法人化を見据えるなら、タイミングと手続きを先に確認しておきたい。

5. 一般と特定、知事と大臣 ― 自分はどれを取る?

建設業許可には区分がある。最初に押さえるべきは次の2つだ。

一人親方が元請になりはじめる段階では、ほとんどの場合一般建設業の知事許可で足りる。特定は、大規模な工事を元請として大量に下請発注するようになってから考えればよい。

区分分かれ目一人親方の最初の段階は?
一般/特定下請に出す総額 5,000万円(建築工事業は8,000万円)以上で特定ほぼ一般でOK
知事/大臣営業所が1都道府県内なら知事、複数県なら大臣多くは知事許可

なお、建設業の業種は土木一式・建築一式の2つに加えて27の専門工事を合わせた全29業種に分かれ、許可の有効期間は5年。更新を忘れると失効するので、取得後の管理も大切だ。

6. 申請の手順・費用・期間の目安

申請の大きな流れはシンプルだ。

  1. 自分が5つの要件(経管・専技・財産的基礎・誠実性・欠格でない)を満たすか確認する
  2. 経営経験・実務経験・財産を証明する書類を集める(ここが一番の山場)
  3. 営業所を置く都道府県(知事許可)または地方整備局(大臣許可)に申請する
  4. 審査を経て許可。以降は5年ごとに更新する

費用は、知事許可の新規申請で9万円(大臣許可の新規は登録免許税15万円)。審査にかかる標準処理期間は都道府県ごとに異なり、全国一律の決まりはない。たとえば東京都は申請受付後おおむね25日(閉庁日を除く)が目安とされている。自分が申請する都道府県の手引きで、最新の手数料と期間を確認しておきたい。

7. 許可を取った先にあるもの ― 元請になると人手が要る

建設業許可は、ゴールではなくスタートラインだ。許可を取れば500万円以上の工事を元請として受けられる。仕事は大きくなり、単価も上がる。しかしそこで必ずぶつかるのが、「自分一人ではもう回せない」という壁だ。

大きな工事を元請としてさばくには、現場を任せられる職人を自社で抱える必要が出てくる。つまり、許可の次に来るのは「採用」という課題だ。ところが、現場で動きながら求人を出し、応募に即対応し、面接の時間をつくる——これを社長が一人で抱えると、本業の現場まで手が回らなくなる。

ここで頼れるのが、採用をまるごと任せる「採用代行」という選択肢だ。ゴリラ採用は、建設業に完全特化した採用代行(RPO)として、求人づくりから媒体運用、応募対応、面接調整までを代行している。社長が現場と経営に集中したまま、組織を広げていける。許可を取って事業を伸ばすそのタイミングで、最初の採用をどう設計するかは、無料相談で具体的に相談できる。

よくある質問

Q.500万円未満の工事しかしないなら許可は要りませんか?
軽微な建設工事だけなら不要です。ただし境界は工事の種類で違い、建築一式工事は1,500万円未満(または延べ150平方メートル未満の木造住宅)、それ以外の工事は500万円未満が境界です。金額は税込で判定し、契約を分割しても合計額で判断されます。
Q.個人事業主のままでも建設業許可は取れますか?
取れます。法人化は必須ではありません。ただし後から法人化した場合、個人で取った許可は自動では引き継がれず、事前の認可手続きを受けないと無許可の空白期間が生じます。法人化を見据えるなら手続きを先に確認しておきましょう。
Q.取得で一番時間がかかるのはどこですか?
経営業務の管理責任者と専任技術者という人の要件を満たすことと、その証明書類を集めることです。申請後の標準処理期間は都道府県ごとに異なり、たとえば東京都は受付後おおむね25日(閉庁日を除く)が目安とされています。
この記事のまとめ
  1. 「500万円の壁」=1件500万円以上(建築一式は1,500万円以上)は許可が必須。金額は税込・分割は合算。
  2. 許可は個人事業主のまま取れる。カギは経管・専技・財産的基礎500万円の3つ。
  3. 個人の建設業者は激減中。許可で元請に回ることは、下請から抜け出す分岐点になる。
  4. 最初はほぼ一般建設業の知事許可でよい。特定は大規模な下請発注をする段階の話。
  5. 許可で事業が伸びる=人手が要る。最初の採用は採用代行に任せ、社長は現場と経営に集中。

許可を取って事業を伸ばす、その先の採用を相談しませんか

「元請になったら、職人をどう採るか」を、現場の状況に合わせてお答えします。建設業に完全特化した採用代行です。

無料で相談する
出典(一次情報)
  1. 建設業法・建設業法施行令(e-Gov法令検索):建設業法建設業法施行令
  2. 国土交通省「建設業の許可とは」:mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000080.html
  3. 国土交通省「許可の要件」:mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000082.html
  4. 国土交通省「建設業許可業者数調査の結果について」(令和7年5月公表):mlit.go.jp/report/press/content/001889275.pdf
  5. 国土交通省 報道発表「建設業の各種金額要件等の見直し」(令和7年2月1日施行):mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo13_hh_000001_00267.html
監修:株式会社サンカク(ゴリラ採用)
建設業に完全特化した採用代行。現場の採用を当事者として動かしてきた知見をもとに、公的な一次情報を確認して編集しています。